月霜の樹林

La bave du crapaud n'atteint pas la blanche colombe...

【書評】夏の終わりに…  

 今月はフリーウェアCardwirth公開及びGroupASK創立15周年と言う晴れやかな一ヶ月となりました。
 記念日こそ過ぎたものの、晴れやかなお祭りの余韻はあちこちでまだまだ続いている様です。cw-portでは年末まで記念コメントを受け付けていますし、何処ゾでは合同でのScenario企画も進行している様です。また個々のユーザも各々の得意分野(Scenarioやイラスト等)で祝賀ムードを盛り上げています(詳細はゆう様のまとめ参照)。
 今回は、その中からバルドラ様の記念作品を取り上げたいと思います。
 
□15年と7日□(バルドラ様)  対象lv.1-5 4人以上

 うんざりする様な酷暑のある日。夏バテで素麺の如くノビている冒険者達の下にちょっと風変わりな依頼人が訪れます。仕事の内容は同胞の『始末』。けったいな秘薬を浴びて変容してしまった幼なじみの暴走を腕ずくで止めて欲しいと言うものでした。熱中症になりかねない炎天下の中、喧しい蝉時雨が響き渡る宿の裏庭で依頼人と冒険者達との死闘が始まります…。
 15周年記念作品として公開されたバルドラさんの『15年と7日』は、爽やかながら何処かけだるい晩夏特有の雰囲気を漂わせたコミカルな小品です。宿の亭主や冒険者同士の言葉遊びの様な掛け合いも秀逸で、軽快なテンポで物語を楽しむ事が出来ます。
 誰しも明日は見通せないもの。ですが、少しでも地平の先を垣間見る事が出来るなら、それが限られた時間を精一杯生き抜く力になる…とラストでほろ苦い感慨を抱きました。

 少しずつ闇が濃くなる時節、燃える暖炉にも温かな寝床にも背を向け孤独な夜を渡る冒険者達は、それでも仄かな灯火を掲げ、不確かな旅路の先を見出だして往くのかも知れませんね。
 

category: *Review*

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