月霜の樹林

La bave du crapaud n'atteint pas la blanche colombe...

【書評】午歳に相応しい作品  

 早いもので新年を迎えてから既に三ヶ月が過ぎました。
 今年は午歳(甲午)。そこで本年最初となる書評では干支に因んだ作品を取り上げたいと思います。
 
□スティープル・チェイサー□(バルドラ様) /対象Lv.無

 林檎箱と共に訪れた唐突な依頼。それは一週間後に行われる競馬レースに亡き夫の代理として出場して欲しいと言うものでした。見当外れも甚だしい内容ですが依頼人の熱意に押され、忘れ形見の愛馬ハセオと共に冒険者はリューンの野山を駆け抜ける事になりました。短い時間で策を練り、精一杯の彼等の流儀で畑違いの世界に戦いを挑む冒険者達。果たして勝利の女神の采配や如何に?
 名門野外騎乗レースに付け焼刃で参加する羽目となった冒険者の奮闘とその顛末を描いたバルドラさんの『スティープルチェイサー』はデビュー作ながら鮮烈な印象をプレイヤーに与え、第13回鈍色の箱で一位に輝く等、多くの話題を攫ったマルチエンド・シナリオです。冒険シナリオに付き物の謎解きや血腥い戦闘場面は一切無いにも拘わらず競走馬に指示を出すシステムが秀逸であり、プレイしている内に実際に乗馬している様な錯覚に陥る程の臨場感を味わう事が出来ます。騎手に選ばれた冒険者を陰でサポートする仲間達の地道かつ重要となる連携も相まって物語は一気に佳境へと疾走して行きます。なお一度プレイすると次回以降はレース部分だけ再挑戦出来る選択肢も出現しますので、本戦で悔しい思いをしたプレイヤー諸氏は此方でリベンジを誓うのも良いでしょう(称号は付きませんが)。
 どんな結果になろうと全力を出し切ったハセオと冒険者達。その夜彼等が見たのは、果たしてどんな夢だったのでしょうね…?

 ※シナリオ入手先:公式ギルド/Valudra Vare/
 

category: *Review*

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