月霜の樹林

La bave du crapaud n'atteint pas la blanche colombe...

【書評】南瓜らんたん騒動記  

 今日、10月31日はハロウィン。アイルランドの大晦日(暦の節目)「サウィン」に起源を持つとされる、この賑やかなお祭りは、近年の日本においても「お菓子とコスプレパーティ」のイベントとして定着しつつある様です。そこで今回は南瓜の灯火(ジャック・オ・ランタン)で闇を照らしつつ、祭りに所縁の或る作品をご紹介したいと思います。
 
 
□傍迷惑な晩餐会□(小柴様)/対象Lv.3-4

 魔術師学連からの依頼で、年に一度開くと言われる「冥界の門」を探索する冒険者。案内役の篝火の精霊と逸れてしまい、空きっ腹を抱えて漸く辿り着いたのは山中には似つかわしくない豪奢なレストラン。何処か不気味な支配人に招かれた先に在ったのは客席ではなく、何と人間を食材として「調理」する恐ろしい厨房でした!絶体絶命の大ピンチの中で冒険者達の死闘が始まります!
 宮澤賢治の童話「注文の多い料理店」をベースとした小柴様の『傍迷惑な晩餐会』は、コミカルさと恐ろしさが絶妙に交じり合い、如何にもハロウィン特有の不思議な世界観が味わえる楽しくもスリルのある逸品です。地の文(ナレーション)も古びた御伽噺の様に韻を踏んで整えられており、異界の罠に気付かず嵌ってしまった冒険者達のやりとりを生々しく浮かび上がらせて来ます。とは言え戦闘はかなり厳しく、しかも支配人に追加注文したソースや付け合せの分だけ妨害が入ると言う厄介なもの。オーダーを欲張り過ぎてしまったら料理を味わう処か、死者達への供物として変わり果てた冒険者達に添えられてしまう事になるでしょう。そして、もし生命からがら逃げ出せたとしても冒険者達には更なる難関が待ち受けています。果たして無事に宿に帰還出来るか、それとも不帰の客と成り果ててしまうのか?全ては彷徨う灯火(ウィル・オ・ウィスプ)の導きのままに…。

 ※入手先:公式GuildBASIN


□ハロウィンのジャック□(F太様)/対象Lv.無

 配達依頼の途中に立ち寄った街で珍しいお祭りに遭遇した冒険者達。家々の窓辺には南瓜でこさえた明かりが点され、夜も更けたというのに思い思いに仮装した子供達があちこちでお菓子をねだったり悪戯をしたりとはしゃいでいます。ところが街の浮かれた空気に呑まれ油断した一瞬、依頼人の大魔術師から託された大切な荷物を悪ガキ達に奪われてしまいます。途方に暮れた一同の前に現れたのは南瓜の仮面を付けたやんちゃ坊主。盗まれた荷物の奪還と引き換えに少年の依頼を引き受けた冒険者達は、怪しい気配が漂う街外れの廃墟へと向かう事になりますが…。
 2003年に公開されたF太様の「ハロウィンのジャック」は終始コミカルな雰囲気が漂う、プレイヤーを選ばない優れた作品です。シナリオには付き物の戦闘もハロウィンに相応しく、モンスターの代わりに様々な『イタズラ攻撃』で襲い掛かって来る子供達を『お菓子』で撃退しながら探索を進める事になります。とは言え、中にはお菓子では撃退出来ない相手も居る様ですので戦う時にはある程度の注意が必要かも知れません。因みに筆者は初回プレイ時、PC達の荷物袋にの付くアレ(の模型)を放り込まれ、後で気付いて絶句…した記憶が御座います。戦闘の回数が増える程、冒険者達が喰らう「イタズラ攻撃」も悲惨さが増しますので、兎に角大量のお菓子を街角で購入しておく必要があるでしょう。
 祭りの終わりを告げる暁鐘に導かれる様に姿を消した少年達。幼くして現世に別れを告げた彼等が、願わくば無事に「本当の我が家」へと迷わず逝ける事を祈りつつ。

 ※入手先:公式Guild蒼いぺーじ2014/10/28現在、サイト消失の可能性有り

category: *Review*

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